Apple Loop

 丸加プロジェクトの曲。聞いてわかる人はわかると思いますが、Loopを多用した曲作りとなっております。Loopの組み合わせで曲を構成してゆく手法は、別段新しいものではなく、私も昔からやっておりましたが、この作業、Apple Loop の登場によって飛躍的に効率的になりました。

以前は、Loopでの曲作りの大半の作業は、テンポ&キー合わせのための波形編集に取られておりました。しかし、Apple が Logic の Emagic 社の買収によって誕生した GarageBand とともに登場した Apple Loop は、この作業を飛躍的に簡単にしてくれました。私は Logic 使いなので、GarageBand ではなく Logic で Apple Loop を使っておりますが、Loopをドラッグして並べたら、テンポもキーも自由自在。コードネームをグローバルトラックに入力するだけで、ひとつの Loop が、コード通りに転調してくれます。制作途中でのテンポ変更もおかまいなし。あ〜、昔サンプラーをトリガーしていたのがバカみたいに思えてしまいます。(^_^;) GarageBand や Logic 以外でも、Loopでの曲制作に特化したソフトウェアはあったような気がしますが、Apple 製ソフトのように、Loop の処理だけでなく、MIDI、サンプラー、オーディオすべてを統合した上で、この機能を持ったソフトは、現在もないのではないでしょうか?私はMac野郎ですので、この恩恵にあずかっておりますが、Winな人たちは、どうやって Loop ものの制作をしているのでしょうねぇ?

さて、Apple Loop のファイルの実態は、AIFFファイルに、テンポやキー、検索用のキーワードなどのメタ情報を追加しただけのものなのですが、それを扱う Logic & GarageBand のエンジンが秀逸で、とりあえず Loop を並べてゆくだけで、誰でもそれなりの曲が作れてしまいます。素人が簡単にクォリティーの高い(?)曲を作れてしまう事は、ある意味プロにとっては脅威ともいえますが、誰でも作れてしまうのは、やはり”それなり”の曲であります。(^_^;)

カメラがオートフォーカスになろうが露出の判断が優秀になろうと、プロが撮った写真と素人が撮った写真とで、あきらかな違いがあるのと同じであります。道具の優秀さと作品の優秀さは比例しないものなのです。が、しかし、確かにはじめて GarageBand で曲作りにチャレンジした人は、「自分にはこんな才能があったのか?」と勘違いするのもわかるほど、よく出来ている道具でありますねぇ。いや、それが勘違いではなく、本当に隠れた才能の発掘のきっかけになる事も実際にあるとは思います・・・稀にでしょうがね。

さて、私が Loop ベースで曲を作る時に注意している事を1点・・・。「Loop に主導権をうばわれるな!」という事です。あくまで素材にしか過ぎないはずの Loop なのですが、Macに標準で入っている Loop 集も、別売りの Apple Loop 集も、かなりクオリティーが高く、また Loop は打ち込み物もありますが、生演奏のフレーズなどが多く、ひとつひとつの Loop が「こう使うのがかっこ良いよ」と主張して来るのであります。で、それに素直にしたがってると、結局誰が作っても同じ方向性になってしまう・・・という”表現活動”としては最悪の結果に陥りやすいのであります。ま、ひとつの Loop の出会いから触発されて曲作りにまで至るという事は、私も正直ありますが、あくまで Loop は素材!私の作りたいものを作るための手足として使う、といつも自分を戒めながら作っております。

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